建築家インタビュー Vol.04 小笠原 絵理(間工作舎/一級建築士事務所)

「家づくりフォーラム」に参加している建築家たちを、京都造形芸術大学の学生たちが訪問しインタヴューを行ないます。
建築家の生き生きとした言葉で彼らの思いや活動を語っていただいています。

インタヴュアー/池田彩恵、北村依里香、竹内綾子、中井芙美、横山カレン(京都造形芸術大学環境デザイン学科3回生)

─学生:どっちの場合の方が多いですか?

小笠原:それはもう半々、すぐに決まることはない。うちではあんまりしません。 だって友達になるのだってこの人だったらこういう話できるけど、ちょっとこっちは話せないかなとか、本当にやっぱり何でも話せる人ってそれなりにコミュニケーションするだろうし、お互い腹割って話せるには時間かかるよね。誰と一緒につくっていくかっていうのもすごい大事。お互い理解していくまでのプロセスで信頼関係も出来てくる。ただ、やっぱりその人の家をつくるんだから、コミュニケーションしないと私達は基本的にわからないので、スーッと進んでいても横道反れてこんなのもどうかなって、出来るだけ話をしていく。やっぱりそういう機会は出来るだけつくっていきますね。

実際設計で八ヶ月くらい、また色んな調整とかして、二ヶ月くらい過ぎて、実際の現場で六カ月弱。その間にいかにコミュニケーションをしてその人を知って、こっちも知ってもらって、でやりとりをしていくっていうのがすごく大事。それが一緒につくるっていう事だと思う。

で、やっぱり直接事務所に来ていただくっていうのはすごい大事。直接こうやって今日も会って話をすると伝わりやすいし、なんか話してて通じないなって思ったらそれはクエスチョンで、自分もそう思ってるし、相手もそう思ってる。でやっぱりお互いに一緒につくろうよって思える相手の人と、お施主さんにとっても一緒にその家づくりをしていくっていうのがすごい大事っていう話はご相談に来られたら必ずします。それは私達も同じだから。

やっぱり一緒にこの人の家をつくっていくって思えるかどうか。そう思えたら一緒にとことん話し合ってつくっていって、出来れば一生また遊びに来ますねって言ってお邪魔したりできればすごくいいし。 そういう関係が出来ていく。私にとってもその人達と一緒につくっていくことができ、いい仕事なんじゃないかなってすごく思う。

そういう意味では一緒につくるっていうのは事務所の中では大事にしていることです。 私たちもそうだし、お施主さんにとっても誰と組んで自分の家をつくるかっていうのが大事なこと。工務店さんもそうだし、色んな人達の手と一緒につくっていくということが大事かなと。建築は基本、人の手でつくるのでいい関係で出来あがった家は良い顔をしてます。でもなんか違うよなってお互いが思ってて上手くいかないとやっぱり建物はすごい正直なのでそれがでます。

そういうことで今までやってきた中でも、もうあそこの家には行けないなっていう関係が出来てしまった場合もある。でもそれはとてもお互い辛い事なので、そういうことがないようにしていきたいなとは思ってる。エネルギーも入るし、気持ちも入るし、それがいい関係でいけば相乗効果でよくなっていくけど食い違ったらどうしようもないので。やっぱり最後まで責任もって仕事を終えるということはすごく大事な事かなと、まぁ失敗含め、そう思います。そういうことをすごい大事につくっていってます。

─学生:ホームページでお施主さんとの写真を拝見したのですが、お施主さんと仲を築き上げてるので撮らせていただけるんですか?

小笠原:そうですね、遊びにおいでって言われて行った時に撮らせてもらってます。要はね、私たちにとってこれ(竣工時)が完成形じゃないんですよ。お施主さん達が暮らし始めて、初めてスタートになるので。

─学生:ホームページで、シンプルで豊かな家をつくろうと思ってるって書いてあったんですけど、そのシンプルさっていうのは実際にお施主さん達が家に住むときを考えているんですか?

小笠原:そうですね。お家は暮らしの器だと思っているのでやっぱり背景になってくれる、これから色んな暮らしの匂いが持ち込まれる。家具もそうだし、少しずつ飾ったりもしていくんでしょうけど、その暮らしの器であって欲しいと思ってます。だから出来るだけ余計なものは省いて。ただ省いて研ぎ澄ましていくという感じではなく、余計なものはできるだけ入れないという感じ。だから素材とかも出来るだけ要素を減らしていきたいと思っていて、器としてシンプルにという気持ちがあります。

─学生:木造が多いように思いますが、現実的な面で木造にしているんですか?

小笠原:基本は木造、ま、気持ちいいっていうのはあります。コスト的にも抑えられるっていうのもありますし。

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小笠原 絵理(おがさわらえり)

□プロフィール
 1961年 熊本県生まれ。1985年 奈良女子大学家政学部住居学科卒業。
 大和ハウス工業研究開発部、武市義雄/REA建築工房、木村博昭/Ks architectsを経て、
 1992年間工作舎/一級建築士事務所を開設。
 現在京都工芸繊維大学・非常勤講師。

□おもな受賞

 南阿蘇の家:JIA熊本住宅賞受賞。
 錦綾幼稚園:第2回JIA関西建築家新人賞、平成19年日本建築士会連合会優秀賞、
 2008年JIDビエンナーレ大賞受賞ほか。

連絡先

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