建築家インタビュー Vol.04 小笠原 絵理(間工作舎/一級建築士事務所)

「家づくりフォーラム」に参加している建築家たちを、京都造形芸術大学の学生たちが訪問しインタヴューを行ないます。
建築家の生き生きとした言葉で彼らの思いや活動を語っていただいています。

インタヴュアー/池田彩恵、北村依里香、竹内綾子、中井芙美、横山カレン(京都造形芸術大学環境デザイン学科3回生)

─学生:今回、出来上がったばかりの現場で取材させて頂き、ありがとうございます。さっそくですが、普段どのように住宅の設計をされているのでしょうか。

小笠原:そうね。お施主さんとどんな風にお話していくのかという話を、この家(※取材を行なった西陣の家)ができるまで、でお話ししていこうと思います。
まず考えたのが、御夫婦お二人で必要な部屋。つまり、水周り、リビング、ダイニングなど、それに加えて冬は畳で過ごすからというお話や収納関係などをもとに、お二人に必要な暮らしの場をこの敷地にをどう配置していこうかなということです。

これはスタディの時につくった模型(*1)ですが、この案であれば間に庭があって、そういう必要なスペースを渡り廊下みたいなもので繋いで行く考えです。例えばそのような考えでどんなのが出来るか可能性を色々考える。そういうところからスタートしていくんだけど、規制があって、じゃあ屋根はどんな形でかけられるか、庭はどういう風に設けていけるかというので、スタディをいっぱいつくって考える。

(*1)

こういう案出しをするのは私だけじゃなく、スタッフも一緒に出した案から、みんなで大事なことは何かなと考える。みんなが共通で大事だなと思ったことは大体その場に必要なことだったり、お施主さんから感じた事だったりするんです。だから先ず、共通で大事にしようってことを考える。次に考える頭が違えばそれぞれ違った、自分が気付かない案も出てくるので、一緒に考えることを大事にしてます。

それと、今住んでいられるお施主さんのお家に伺って、今の暮らしの様子をみたり、どんな暮らしをされたいか、とか要望を聞いて、それを素にして案を出します。

─学生:要望リストはお施主さんからもらうんですか?

小笠原:この家のお施主さんの場合は、かなりリストをつくってらして、それをいただきましたが、全くない場合の方が多いです。リストはコミュニケーションをとる道具の一つでもありますし、イメージされてるものをこっちも理解するポイントにもなります。模型では、形はこういう家ですとか、暮らしの場がこのように繋がっていく庭ですとか、そういう話をしたり、また中の様子は写真の事例で伝えることが出来る。要はお施主さんを知るために、模型やプランを色々出します。会話するための道具だね。

お施主さん達にとっては住まいっていうのは、元気な時も、病気の時も、ケンカしたときも仲よしの時も一緒に過ごされる所だからね。

お施主さんたちにとってはありのままの場所になるので、それをつくるためにいかに会話をして近づけていくか、全然違う他人同士、だけど私たちがそれを受け止めてこうかな、ということを出していけるので。 そうやって少しでもお施主さん達にとって、ああ、自分の家だって思える、暮らしが楽しみだって思えるお家にもっていく。設計はそのプロセスみたいな部分があります。 お施主さんからもなんか、こんな風にならないかってプランが送られてきたり。初めに提示したのが、じゃあこれで、って決まっていく場合もあるし。

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小笠原 絵理(おがさわらえり)

□プロフィール
 1961年 熊本県生まれ。1985年 奈良女子大学家政学部住居学科卒業。
 大和ハウス工業研究開発部、武市義雄/REA建築工房、木村博昭/Ks architectsを経て、
 1992年間工作舎/一級建築士事務所を開設。
 現在京都工芸繊維大学・非常勤講師。

□おもな受賞

 南阿蘇の家:JIA熊本住宅賞受賞。
 錦綾幼稚園:第2回JIA関西建築家新人賞、平成19年日本建築士会連合会優秀賞、
 2008年JIDビエンナーレ大賞受賞ほか。

連絡先

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