建築家インタビュー/Vol.02 藤岡 龍介(藤岡龍介+藤岡建築研究室)

「家づくりフォーラム」に参加している建築家たちを、京都造形芸術大学の学生たちが訪問しインタヴューを行ないます。
建築家の生き生きとした言葉で彼らの思いや活動を語っていただいています。

インタヴュアー/市原あゆみ、神園貴史、横山カレン、北村依里香(京都造形芸術大学環境デザイン学科2回生)

─北村:いつ頃から伝統的な建築の方向に進もうと思ったのですか?

藤岡:僕はね、大学は近畿大学工学部建築学科に所属していたんだけど、そこの建築史の先生が分かりやすい、切れ味の良い授業で魅力的でした。すごく魅力を感じてね。そこの研究室で勉強させてもらうことになるのですが建築の歴史の先生だから、いろいろな建築について調べる事が多くて、特にその先生の専門が社寺で、周辺地域の調査などを多くしていました。僕は卒論で方丈の建築の変遷なんかを知るために片っ端から色んな建物を調査して行く中で、面白いなと感じ始めました。奈良の町家に住んでいたんだけど、そういった事もあって新しい世界、木造、伝統が見えてきたんだよね。それで伝統的な方向に進みたいと思ったのがきっかけ。

─横山:新築をやられるときもそういった伝統工法を使われるのですか?

藤岡:伝統工法と言っても、どこからが伝統でどこからが今のやり方かというのはありますけれども、木を組むにしても長柄にして込み栓で組むとか、或いは小舞、竹小舞にして土壁を塗っていくとか。ただ、昔のように礎石に柱を乗っけていくとかは新築の中では出来てないけど、してみたいなと思いますね。

─北村:先生の所に来られるクライアントさんはそういったものを好む人が多いですか?

藤岡:そうですね。土壁にしてほしいとかはありますね。流行りとかそういった視点だけでなく、環境にやさしいとか、自然素材で接着剤を使っていないとかホルムアルデヒトが出ないという視点からもそういった工法を望まれる方もいます。土壁という工法にしても、ラスボードを使ったり、モルタルを外壁に塗ったりすることも当然ある訳ですよ。そうすることで伝統工法がより際立つ場合もあります。やれる配分の中で何が出来るのかという事を考えています。クライアントが出す要望でいいものと悪いものをこちらが聞いて判断して、いいものは伸ばして取り入れて適切じゃないものはやめといたほうがいいって言う。

─市原:建築事務所って工務店より敷居が高いイメージがあるんですが、実際は?

藤岡:こちらは別にオープンでやってて、どんな人が来ても話をしたり相談にのったりしてますけど、外から見るとやっぱり敷居が高く見られてるんだろうなとは感じますけどね。だけど最近結構若い人たちでもね、相談に来られるんでね。インターネットでメールとか、そういうのが発達してきたから割と気軽に相談されたり。今はそんなに昔ほど高いイメージはないと思う。一人のクライアントがこっちに相談してきたり、いろんな仲間っていうか知り合いの建築家の方々に同じような相談を聞いてる人もいらっしゃるしね。

─市原:家作りフォーラムに参加されてるお客さんに対してメッセージをお願いします。

藤岡:これから住まいを考えたり計画をしていく方へ、フォーラム参加の大抵の建築家は個性的で造り方とかにこだわっている。十人十色というかその人たちに自分の考えを話して、良いものを引き出してもらえるような建築家とのめぐり合いが実現出来れば嬉しいです。

─学生:ありがとうございました。

(2010年12月1日 藤岡建築研究室にて収録)

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藤岡龍介(ふじおかりゅうすけ)

藤岡建築研究室主宰
1952年奈良県生まれ。
1975年近畿大学理工学部建築学科卒業後、
東京・水澤工務店、松本・降幡建築設計事務所を経て
1985年奈良に戻り藤岡建築研究室を設立
現在に至る。
2002~2007年近畿大学非常勤講師
□受賞歴
 ●第1回豊の国木造住宅賞 優秀賞
 ●第5回豊の国木造住宅賞 最優秀賞
 ●第7回奈良市建築文化省 奨励賞
 ●平成9年三重県上野市地域住宅賞(HOPE賞)市長賞
 ●第4回奈良県大和高田市都市景観建物デザイン賞
 ●「2007年度E・家・くらし住まいの設計コンテスト」最優秀賞
 ●第13回奈良県景観デザイン賞 審査委員長賞
 ●第5回木の建築賞 など

連絡先

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