建築家インタビュー Vol.02 藤岡 龍介(藤岡龍介+藤岡建築研究室)

「家づくりフォーラム」に参加している建築家たちを、京都造形芸術大学の学生たちが訪問しインタヴューを行ないます。
建築家の生き生きとした言葉で彼らの思いや活動を語っていただいています。

インタヴュアー/市原あゆみ、神園貴史、横山カレン、北村依里香(京都造形芸術大学環境デザイン学科2回生)

─北村:今回こちらのほうで、質問を用意してきましたのでお答え頂けたらと思います。まず、建築家は、依頼された設計以外にどのような事を行っていますか?

藤岡:建築家の家づくりフォーラムとか、奈良町では、なら・奈良町家研究会。奈良町の伝統的な町家の特徴などいろんなことを調査して浮き彫りにしていったり、25~6年前にされた調査があって、それが時を経てどう変わっていったかを調べたりしています。或いは今NPO法人で古材文化の会というのが京都にあるんですけども、歴史的な建物がどんどん壊されていっているので、まだしっかりしている建物を今の時代に活かして次の時代に繋げていける活動とかをそこでもやってます。

また、奈良町では町家バンクっていうのがあって、たくさんある空き家のユーザーと所有者を上手くマッチングさせていこうとしていたり、奈良県内で町家とかの再生サポートセンター、つまり伝統的な工法を生かして改修ができいろんな相談が受けられるセンターの立ち上げ準備もやっています。

─北村:そういうのはどこかの県だったり他の事務所だったりと一緒にやっているんですか?

藤岡:そうですね、奈良町家民家サポートセンターっていうのは県の方とかそれから町づくりの方とかまあ古材文化の会っていうのがメインで立ち上げている。国土交通省の地域木造住宅活性化推進事業っていうのがあって、その資金を頂いて21年度はやりました。22~24年の三年間は文化庁から補助を頂いて、それで立ち上げていこうとしています。そのセンターの立ち上げと、伝統的な工法で改修する講座をしていたり、地図データと一般的な調査データとをマッチング・合体させてパソコン上でその町家・建物がどういう位置にどう建っているのかっていうことがすぐ分かるようなデータベースを作成することもやっている。

─北村:そういったことは一般に向けて公開しているんですか?

まだそこまでは行けてないけども、そういうデータっていうのは観光に使えたり、建築履歴とか改修履歴を作ることによってメンテナンスがしやすく、次の時代に繋げていきやすいようにしていけたらいいなと。

軒先の部分だけ新しい材で継ぎ、できるだけ元の材を残す。コースターは廃材を洗って磨いて作ったもの。こうした古材を朽ち果てるまで使うのが日本人の精神。

─市原:町家のことをいろいろと調査されていますが、藤岡さんが考える町家の魅力って何ですか?

藤岡:町家の魅力ね…日本の建物や日本の文化・木造文化っていうのはやっぱり日本独特のものがある。それこそ1300年前から積み上げられたものもあって、それが一般庶民化していって町家とか民家が建っているわけで、日本の木造の個性というか、各地域でファサードのデザインも違うし構造も多少違うし、地域・風土によってみんな形が違い、空間も違うところですかね。

─市原:金沢の町家や京都の町家もすごく有名ですけど、その中で仕事のメインにされている奈良の町家の魅力とは何ですか?また、何故奈良という土地で町家を改修しようと思ったのですか?

藤岡:それは生まれ育ったところなんでね。奈良町で生まれ育って、東京とか色々な所に行って、そこで奈良の地域性、或いは良さとかね、歴史とかそういうものの素晴らしさがわかった。外に出ると割とそういうのがわかる。それでこっちへ帰ってきてできるだけのことはやっていかなければと思って。

改修された奈良町紀寺借家(奈良町宿「紀寺の家」)の向いに建つ、今後改修される予定の町家。大正元年に建てられたもの。

大正元年に建てられた改修後の奈良町紀寺借家(奈良町宿「紀寺の家」)の外観。江戸時代に一般庶民では造れなかった玄関を設置。

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藤岡龍介(ふじおかりゅうすけ)

藤岡建築研究室主宰
1952年奈良県生まれ。
1975年近畿大学理工学部建築学科卒業後、
東京・水澤工務店、松本・降幡建築設計事務所を経て
1985年奈良に戻り藤岡建築研究室を設立
現在に至る。
2002~2007年近畿大学非常勤講師
□受賞歴
 ●第1回豊の国木造住宅賞 優秀賞
 ●第5回豊の国木造住宅賞 最優秀賞
 ●第7回奈良市建築文化省 奨励賞
 ●平成9年三重県上野市地域住宅賞(HOPE賞)市長賞
 ●第4回奈良県大和高田市都市景観建物デザイン賞
 ●「2007年度E・家・くらし住まいの設計コンテスト」最優秀賞
 ●第13回奈良県景観デザイン賞 審査委員長賞
 ●第5回木の建築賞 など

連絡先

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