お知らせ

家づくりフォーラムに参加の建築家・作家の最新情報をお知らせします

第5回家づくりフォーラム フリートーク

2007年4月22日、第5回家づくりフォーラムにて行われたフリートーク「すまいとかたち」の内容を掲載します。
参加建築家13名と来場者がテーマに沿って意見交換されました。
以下はフリートークの内容を抜粋したものです。
深谷(司会):家づくりを考えておらせる方の住まいへのこだわりをプランや模型、そして最終的に家というかたちに置き換えるのが建築家の役割だと思います。来場者の方にこだわりがあるのと同じ様に、建築家にもそれぞれこだわりがあると思いますので、始めに建築家それぞれのこだわりを話してもらいたいと思います。
門脇 :なるべく家のつくりの仕組み、成り立ち(構造や素材)が見える様につくる事。LDKといった部屋の名前はつけるけれど、もっと大きな枠組みで家づくりをしたい。
林  :施主さんのこだわりにかたちを与える事。
阿久津:日常性。日々繰り返される日常の中にこそ、家をつくるヒントがあるのではないか。それを次に具体的にかたちに置き換えるとき、最初の手がかりにするのが間取りです。今回、自分の事を言うと「間取りのかたち」と言えるのではないかと思います。
芦澤 :その人(施主)でしかできないもの、そこで(敷地)しかできないもの。条件を+αに変えるような事を考えて設計しています。
広渡 :お施主さんの要望(生き方や価値観)を我々がおもしろいかたち、新しい住み方へ変える提案を考えています。
井上 :空間のかたちにこだわる。要望から離れてみて、まずかたちを構成してみて、そこで新しい今までとは違う気持ちよさを味わってもらえる可能性を探しながらつくっています。
山下 :うちとそとの関係。(光、景色、社会、地域)と意識を外へ向ける。
長坂 :建築家は、敷地の環境の読み取り能力を施主さんに提供する。それをヒントに楽しい魅力的な提案にする事です。
小笠原:住みながらつくる事を考える。建つ場所の様々な条件と暮らしが相まって、素直なかたちにできたら住み手にとってよい場所になると思います。
小山 :与件を拾いだす事を一番大事に思っている。そこで出て来た今までにない発想を生み出すものを正直に組み立てかたちに置き換えてゆく。
藤岡 :価値観に左右されない、自由な平面で構成できるようなものを目指している。さらに周りの環境と共生できるかどうかを考えている。


深谷 :(アンケートで書いて頂いた)住まい手のこだわりは「〜したい」「〜できる」などの具体的な願望を言っておられる方が多く、建築家は抽象的なことや態度というこだわりが多くそのあたりが違いだったと思います。
   (住まい手の方に自分の家をつくる時に何を大事にしたいか、質問してみたところ)
一般A:いくつかの部屋があって、この人はどの時間帯にどの場所に居てという生活のリズムを大切にしたい。その部屋を使う時間の長さによって、部屋をつくっていく。
小山 :逆を考えるとリビングで寝たりするように、場所はどこで何をやっても良いのではないか。
酒井 :時間のリズムで部屋をつくる話は分かるが、そんなに大きな家はできないと思う。だから、様々な行為が1つの空間にうまく混ぜ合わさったものの方が良いのでは。
一般A :私が考えているのは、いろいろな部屋があるというより、広い1ルームがあるのが良い。
酒井 :それ、当たりです。その広い部屋をただつくるのではなく、様々な行為の要望を設計者と施主がきちんとやるべき。
深谷 :広い選択肢で、ゆっくりと話し合いができるという事が、建築家の一番よいところだと思う。
武市 :人は変わっていくもの。今の時点で完璧なものをつくっても,変わってしまう。施主の今の要望どおりつくっても良いものはできない。
藤岡 :民家の話でいうと、民家はルーズさがあり、様々な行為に対応する。あるものを置く場所を最初に決めてしまうと場所を変えたとき使いづらくなってしまう。
山下 :バランスだと思う。私の自邸は16帖のリビングと3帖の小間が2部屋あるだけ。リビングが寒いときは3帖の小間をリビング代わりに使えば良い。そうやって工夫して住めば良い。なんにでも1ルームが良いとは思わない。

一般B:私はゆとりがある家が良い。例えば、階段は110cmとか幅を少し広くとったりという事。
長坂 :全てを大きくしていくと面積も予算も大きくなる。その時何を選ぶかが大事。
広渡 :私は+αをどうしていくかだと思う。狭さを感じているならどうしたら良いかを考える。
阿久津:広い雰囲気の階段が欲しいのか、110cmという幅が絶対的に欲しいのか2通りある。数字は危険でそう言われると守らざるをえなくなる。
長坂 :施主に要望を言われてそのままつくるのでは建築家じゃない。
深谷 :建築家は精神科医だと思う。その人の言っている事の本質を探る洞察力がなければならない。

一般C妻:建築家と一緒につくりあげていきたい。例えば近所の子供が気軽に来れるような、、、。
深谷 :家づくりを考えておられる夫婦は、旦那さんと奥さんとで言う事が違う人が多い。
一般C夫:僕は休みの日は家の中でゆっくりくつろぎたい、、、。
阿久津:夫婦だけの話になると喧嘩になる。建築家は間に入って意見調停するのも役割の一つだと考えている。
小笠原:家づくりが一番家族で話し合える良い機会なので、とことん喧嘩し話し合えば良い。
深谷 :建築家の設計期間が長いのが嫌だという方もおられるが、そうじゃなくその間楽しめる、余裕があると捉えると良いと思う。
阿久津:建築家に頼むという事は設計料を払うという事がある。解決できない問題に対する提案料だと思う。アイデアがどれだけ見せれるかが建築家の腕のみせどころ。
一般D:竹原先生に以前依頼に行ったとき、こだわりの話をしたのですが、「おもしろくない、テーマがないよ」と叱られました。テーマは建築家が考えるものだと思っていたので驚きました。

(感想)こだわりはあって当然なのだが、もっと踏み込んでその家のテーマをつくる権利が建て主にもあるという事を知った。かたちをつくるのは建築家で、こだわりがあるのは住まい手。その間にある「テーマ」というものを一緒につくっていく作業が大切だなと感じた。